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わたしも観ました!

これからの日本のキリスト教会の歩みにも一つの指針を示す

1587年の伴天連追放令、1613年の徳川禁教令ののち、過酷な殉教の歴史を重ね、1637年島原の乱が鎮圧され、日本全土からキリスト教は抹殺されてゆく暗黒時代を迎える。
こうした中で、250年間7世代にわたり潜伏を続けていた浦上のキリシタンの子孫が、1865年大浦天主堂のプティジャン神父のもとに現れ信仰告白をする。キリスト教の歴史上類を見ない信徒発見である。
7世代にわたり「ローマからパパ様が司祭を送ってくださる」という言葉を信じる力は、どのようにもたらされ、信仰を守り続け、子、孫に伝えていったのだろうか?
このDVD『SANTA MARIA WAS THERE!』はまさにこの疑問に答える作品となった。

長崎教区の古巣馨神父様のご指導の下、教区の多くの司祭および信徒の協力により、浦上の信徒たちの歴史が5幕10場の長時間にわたり繰り広げられる。奇跡ともいわれる歴史的事実は、これからの日本のキリスト教会の歩みにも一つの指針を示す。
この舞台を通して、素朴な信徒一人一人が司祭もいない、教会もない中で、敬愛する父祖から伝えられた信仰を守り、自分の子や孫に確実に伝えてゆくことにより守り抜いた熱意の賜物は、神さまのはかり知れない御業となって250年を経て私たちにも伝えられてきた。

この感動的な歴史の再現ともいうべきドラマの最終場面での、ゆりの台詞『私の胸(こころ)あなたの胸と同じ』という言葉に、当時のプティジャン神父は感動の涙を禁じえなかったという。舞台でもその感動はよく伝わっていた。
この信徒発見から数年後、日本は明治に入っていたにもかかわらず、浦上の信徒に更に追い打ちをかけるような迫害があった。『旅』と名付けられた、村民3,000人がキリシタンということで、日本各地に流配され、多くの命が奪われた。そして100年もしないうちに、浦上は原爆投下の犠牲になる。

今回の上演は、浦上に留まることはなく、私たちひとりひとりを激しく揺さぶるものとなった。

(カトリック高輪教会 内藤瑞枝 様)

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