私たちは、今回のフランシスコ教皇様のご来訪を、とても憬れて待っていたこととも重なって、この信徒発見から百五十年を経た今、当時の信徒達の「かくれ」の生き方、ひたすら隠れて信仰を守り抜くことに徹して生きる、そのことに慣れてはいても、積極的に自分の信仰を表して証しとし、たとえ迫害される身になったとしても、真実を見究めるために、出て行こうとする勇気を、同じ信仰共同体としての互いの祈りと愛の結束力によって勝ち取った浦上の十五人の信徒達、大浦天主堂にプチジャン神父のもとを訪れたこの人々の物語を観て、深い感動を覚えた。
「信仰の恵みの偉大さ」「信仰の喜び」に、あらためて目覚めさせて戴けたように思った。
最後のサンタ・マリア像に出会うことができた信徒達の喜び・感動のシーンを見て思ったことは、主がかつて「私は、世の終わりまで、あなた方と共にいる。」と言われたように、私たちが心から信じ求めているなら、主が必ず「聖母マリアを伴って、私たちと共に、いつもおられるのだ」と思うことができた。
舞台での演技も、ナレーターの朗読も、出演者に信徒が多いためか、また、この物語の事実を生きた人々の血統(ちすじ)を引く方々が出演されているためか、観る人々の心に響き、沁みる出来栄えであったと思う。
DVD作品で見て取れた、舞台の装置は、ごく簡素で、必要最小の物だけが置かれていたことも、自然で、かえって効果的だったと感じている。
尚、脚本の製作・監督などの大変なご労作を、祈りとともにして下さった古巣薫神父様はじめ、多くの出演者の方々、目立たぬ隠れた多くの作業を担って下さった方々に心から感謝するとともに、私どものように遠隔の地でもDVDを入手することは、それほど困難ではないと思うので、 一人でも多くの人々が鑑賞し、心に恵みを、そして信仰の喜びを戴いてほしいと願っている。
(殉教者聖ゲオルギオのフランシスコ修道会・札幌マリア院 Sr.二瓶規子 様)