やっと「カロル」をすべて鑑賞させていただきました。
かなりの長編作品でしたので何回かにわけて拝見しました。
私が物心ついたときのローマ教皇(当時は法王が一般的だったですが)は
ヨハネ・パウロ二世でした。
教皇が来日されたときもかなり大々的に報道されて
小学校の卒業アルバムの主な出来事にも載っていたと記憶しています。
当時の印象はとてもやさしそうなおじいさまだなぁ、といったくらいでした。
今回「カロル」を見るまで、その慈愛に満ちた笑顔の中に
どれだけの苦難の体験が含まれていたのかと想像することはできませんでした。
演劇、鉱夫、キャンプ
どれも一見ローマ教皇とは結びつかないキーワードですが
カロルには切り離せ ないものなのですね。
なぜ人間味あふれる人物であるのかがよく分かりました。
日本は1945年で戦争の一区切りができましたが
ポーランドではその後ソ連の支配により平和が訪れることが遅れただけに
彼が教皇となった時にはどれだけのポーランド人の心の支えとなったことでしょう。
カロルを監視していたアダムという共産党のスパイが
カロルの真摯な人物像を知るにつれてスパイ活動ができなくなるというエピソードは
お伽噺のようですが実話だとすればすごいことだと思いました。
ラストの実際の映像が使われた就任式のシーンでは、涙が止まりませんでした。
久々に心が洗われた気がします。
素晴らしい作品をご紹介いただきありがとうざいました。
また、日本語版のDVD製作ご苦労様でした。(神奈川県在住40代男性)